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ハラペコ通信2月号巻頭言〜石井さん〜

2022-02-10 配信


土の香市場 ハラペコあおむしをご利用いただいています皆様へ

石井農園 石井康弘


 

いつもご利用いただきありがとうございます。ハラペコあおむしの立ち上げ当初より参加させて頂いて今日に至っています。ハラペコあおむしが皆様に愛されて拡張するほどに発展されていることを大変うれしく思っています。

 

以前はミニトマト、ナスなども商品化したこともありましたが、稲作に力を入れるようになってからは有機無農薬米と有精卵のみとなっています。

 

稲作に力を入れるようになった切っ掛けは、米作りでいつも話が盛り上がる友人の致命的とも言える大怪我がありました。コンバインに利き手を挟まれて砕かれてしまったのです。農業者としては再起不能とも思われましたが、稲作への情熱は失われることなくトラクターもコンバインも工夫して操縦、復帰を果たしました。そのような時にある通販会社から米作りの依頼があり共同で米作りの計画を進めていたのですが、その友人に癌が見つかり手術もままならず天に召されました。

 

一人残された私は契約社員として現地社員とともに米作りを始めましたが、間もなく2008年のリーマンショックを境に会社の経営が悪化、社員を辞め独立採算制に切り替えて稲作を続けてましたが数年後に通販会社と関連会社が倒産してしまいました。問題は二つ、売り先を失ったことと会社名義の農業機械の買い取り。機械は全て会社名義でリース契約、使用料を米で会社に支払うという形をとっていたために、倒産前に個人で買い取らなければなりませんでした。この年は今まで委託で刈り取り、乾燥、籾摺りをしていましたが、倉庫を借りてコンバイン、乾燥機、籾摺り機、石抜き機を購入したばかりでしたので、更なる出費は重くのしかかる新たな船出となりました。

 

このような時に支えて頂いたのがハラペコあおむしの存在です。有精卵はもとより有機米も出荷。それから、森喜酒造さんへ有機米の山田錦を出荷しハラペコあおむしでも取り扱いの「英(はなぶさ)」の原料になってます。そして平飼い養鶏にも新たな展開が始まりました。それまでは水田の三分の一を転作作物の栽培が義務付けされ麦や大豆が奨励されていましたが、新たに飼料米も転作として認められるように制度が変わりました。これを機に飼料米栽培を開始、輸入トウモロコシを止め自家栽培飼料米30%を含む国内産飼料95%の餌づくりに切り替えました。鶏ふんを完熟たい肥化し水田肥料、飼料米を餌とする循環型農業になりました。

 

ここ二年程はコロナの影響で売り上げ六三%減、一時は倒産の危機にも遭遇しましたが新たな顧客が与えられ何とか復活できそうです。どんな時にも変わらない核になって支えてくださる方々が存在することを改めて実感させていただきました。心から感謝いたします。

(ハラペコ通信2022年2月号には、山添村の石井農園石井康弘さんに寄稿いただきました。)


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⬆︎2016年 石井さんの養鶏場に伺ったときの写真です。記事はこちら



 

 

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