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手作りの暮らしに舵をきるとき

2015-12-25 配信

朝起きるとまず薪ストーブに火をつけます。

去年は囲炉裏の炭火で冬を過ごしましたが、3月ごろには冷えで体調を崩してしまいましたので、今年は早めから寒さ対策をしようと思っていました。そしたら息子が信州大学の先生と学生さんが考案したというストーブをもらってきましたので、早々と狭い裏口に無理やり設置してもらいました。うわばみ君と名づけたいほど薪の消費ははげしいのですが、大きな丸太をほうりこめるし、それだけで部屋中が温まるすぐれものです。

ストーブに火をつけながら、子ども時代のことを思い出しました。阿蘇山の裾野の高原地帯で生まれ育った私ですが、小さい頃起きるとかまどに火がついていて、その煙が居間の床下を通るオンドルになっていて、とてもやさしいぬくもりでした。かまどで炊いたご飯、手作りみそのおつゆ、自家製の漬物、当時は何もかもが手作りでした。買うのは塩、砂糖、海産物ぐらいだったと思います。油も菜種を作って、近所で搾油してもらいそれを1年中使っていました。白菜づけがおいしい季節になって、大きな樽につけてあった母の手作り漬物も思い出しました。これさえあれば何もいらないというほど、私は白菜のお漬物が大好きだったことも。

貧乏で恥ずかしいなと思っていた暮らしが、そうして振り返ると何と贅沢な暮らしだったことかと、改めて思わされます。遺伝子組み換え食品を世界で一番多く取っている国が実は日本だったということを、先月書きましたが、私もよもやそこまでとは考えていなかったので、本当に驚いたのです。組み換え食品がたくさんの加工品に、形を変えて使われているため、目には見えないので安心していたのですが、知らないうちに世界で一番消費していたというわけです。

とにかくみんなで健康な暮らしを目指そうと思ったら、原料のわかるものを手作りするのが一番の安心につながるという結論です。その原料も良心的に作っている生産者、製造元を選んで、買い支えていくこともとても大事なことだと思います。自分たちの未来を人任せにしないという意味でも、手作りにしっかりとシフトしたいと思います。

手始めに年末は切干大根をたくさん作っておきましょう。切干は本当に優れた健康食品だそうですから。食べ方いろいろ一緒に学びたいですね。

 

ハラペコ通信2015年12月号より

奥田美和子


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