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「コッコさんね、お肉になったよ。」

2017-02-11 配信

「コッコさんね、お肉になったよ。」(ハラペコ通信2月号巻頭言)

 

 

私の両親は、野菜と米を作り、冬はせっせと大根を干し、沢庵を漬け、餅をつき、味噌や醤油を仕込み、春には筍を堀り、山菜を摘み、初夏には梅干を漬け、夏にはきゅうちゃん漬けやトマトピューレを作る、そんな生活を送っています。そして去年から卵をたくさん産んだおばあちゃん鶏を愛農から数羽買い取り、庭で飼い始めました。鶏舎は父の手作りです。

 

少し前に、私の両親宅から親子丼をお土産に持って帰ってきた3歳の娘が親子丼の入ったお鍋の蓋を開けながら「ママ、コッコさんね、お肉になったよ。」と言いました。

その言葉で私の頭の中は20年前にタイムスリップ。愛農高校に入学したら避けては通れない鶏の解体。その日の夕食に出てきた手羽唐揚げ。

そんなことを思い出しながら、私は娘に「そっかぁ。じゃ、コッコさんに感謝して大事に大事にいただこうね。」と言ってご飯の支度をし、二人でとっても硬いひね肉を噛み締めながらいただきました。まさに本気の親子丼。

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私が16歳で経験した鶏の解体は20年経った今でも鮮明に覚えています。

さっきまで生きていた鶏が自分の目の前のまな板に置かれたこと、包丁を握ってみるものの、なかなか手が動かせず泣いてしまったこと。それでも養鶏部の先生の「こうやって命をいただいているんだよ。」という言葉に背中を押され泣きながら部位ごとに解体したこと。そしてその夜に食べた手羽唐揚げの味。ひね肉ならではのペッタンコで硬い手羽は、塩コショウがよく効いて噛めば噛むほどにお肉の旨みがが出てそれはそれは美味しかったのです。

 

自然食品店で働いていると、テレビやネットの影響で食品の流行り廃りが著しいのを感じます。実際それに違和感を感じずにはいられませんでしたが、娘の一言で、鶏の解体を思い出し、娘に伝えていくべきことが見えてきて、その為にも自然に沿って生きようとしている両親の生き様を学んでいけばいいんだと確信することができました。

つい先日、娘と実家へ行ってきたのですが、庭には2羽鶏がいましたとさっ。

葛原結美


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